「続きを読む」か「全文を読む」か

記事に続きがある場合に「続きを読む」と「全文を読む」ではどちらが相応しいのか

このサイトでも時折そうだが、特にブログ系サイトでは、記事の続きがあるときに「~の続きを読む」というリンクアンカーがついてくる(場合が多い)。 で、そのリンクをクリックすると、文字通り「続き」の文章が表示されるわけだが、これは実のところ利用者の期待にどれだけ適っていることなのか。

もしかしたら私だけのクセなのかもしれないが、実際にその「続き」に飛ばされても、これはホントに続きなのか? 自分はどこにいるのか? とスクロールしてちょっと戻り、自分が読んでいた文章の続きであることを確認して再び読み進める、という手順を踏むことになる。 多分に「慣れ」の問題もあるのだろうが、「続きを読む」よりも「全文を読む」の方が利用者の生理に適っているような気がしている。 結局の所、同じ文章を読まされる(読み飛ばす)わけで、その分スクロールする羽目にはなるが、少なくとも「ここは何処?」的な不安を持つことはない。

ここで大御所を持ち出して虎の威を借りちゃうあたりがちとイヤらしいが、かのヤコブ・ニールセン御大は斯く述べている。 Alertbox: ページ内リンクの使用は避けよう(2006年2月21日)より。

ユーザたちは、リンクをたどるときの明確な思考モデルを形成済みで、それはいくつかの要素に分けることができる。

  1. リンクをクリックすることは、別の場所に移動する。
  2. クリックすると、前にみていたページは消える
  3. 新しく読み込んだページはウィンドウに読み込まれ、前にみていたページと入れ代わる。
  4. まずは、新たに読み込んだページの最上部がみえる。
  5. 戻るボタンは、以前のページに戻る。

ほとんどのクリックがこのような動作をするため、ユーザたちは、ウェブがこのように機能するだろうという、強い期待値を持っている。論理的で、簡単な思考モデルだ。

(略)

名前付きアンカーを使い、異なるページの、特定の場所にリンクすることは、同一ページ内でページ内リンクを使うのと同じくらい、よくないことだ。

異なるページの名前付きアンカーにリンクする場合、ユーザの思考モデル 5 要素の内、4 要素は守ることができる。異なるページに移動し、前のページは消える。異なるページが読み込まれるので、戻るボタンを押せば、前のページに戻る。残る 1 つの要素だけが問題だ。一般的にユーザたちは、ページの最上部ではなく、ページの中程に投げ出される。

思考モデルの 20 %にしか反していないほうが、よいことは確かだが、ユーザの期待値に反するのは、よいことではない。ユーザをページの真ん中に投げ出してしまうのは、ユーザビリティの問題を引き起こす。なぜなら新たなページに入ってきたとき、ユーザたちは自分の現在地を理解する必要があるからだ。ページの見出し、説明書き、ナビゲーション用の機能は、それを理解するためには不可欠なコンテクストとなる。

で、うちはどうすべか?

  • 「全文を読む」にした方がいいのかもなぁ。 でも、すでにPermaLinkってのがあるわけで。 その表示を改善した方がいいんじゃないの(これは別問題として引き続き検討中)
  • そうはいっても、やっぱ「続きを読む」が今のところブログ系の主流だしなぁ
  • 「続き(全文)を読む」というのはどうだろう? (ってそりゃ混乱するだけだわな)

などと、つらつらと考えていた。

どうせうちは亜流だからいいや、というわけで、最終的にうちでは続きがある場合は「~の全文を読む」に変えてみた。 「こんなんじゃ使い勝手が悪いぞ」ということでしたらご指摘ください。 再考してみますので。

でもって、#comments#trackbackとかは使い続けていたりするわけで^^;

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